SNS広告の効果的な配信設定の考え方

SNS広告の配信設定には、予算の設定や配信地域・時間帯の設定、配信価格の入札方式の違いなどがあります。

ここでは広告の配信設定をどのような考え方で進めていけばいいかについてお話していきます。

予算の設定方法

SNS広告の配信には、予算の設定が必要です。
広告の予算によって、広告を配信する期間や配信地域、配信時間帯などに影響を与えることがあります。

SNS広告では、1日あたりの広告費用の上限額を設定する「デイリーバジェット」と総広告費用の上限額を設定する「トータルバジェット」の2つの方法があります。

デイリーバジェット方式

デイリーバジェットは、1日あたりの広告費を設定する方式です。
この方式では、広告が1日あたりどの程度配信されるかを細かくコントロールできます。

例えば、月末に売り上げを上げたいという場合は、月末に向けてデイリーバジェットを上げることができます。
一方で、デイリーバジェットが設定されている場合、広告配信がうまくいかず、広告費がムダになる可能性もあります。

トータルバジェット方式

トータルバジェットは、広告配信期間中に使う総額の広告費を設定する方式です。
この方式では、予算の全体像を明確にすることができます。

例えば、あるキャンペーンで使用する広告費を、全体の予算の一定割合として設定することができます。
しかし、トータルバジェットが設定されている場合、配信期間中に広告費を使い切ってしまった場合、広告が配信されなくなってしまう可能性もあります。

予算設定の決め方

どちらの方式を選ぶかは、目的や予算規模、キャンペーン期間などによって異なります。
また、デイリーバジェットとトータルバジェットを併用することもできます。

例えば、キャンペーン開始直後はデイリーバジェットを設定し、その後トータルバジェットに切り替えるといった使い方ができます。

広告配信において、予算の設定や配信地域・時間帯の設定は、広告の配信効果に大きく影響を与えます。適切な予算設定や配信地域・時間帯の設定を行い、最大の効果を引き出すようにしましょう。

配信地域や時間帯の設定方法

広告配信先の地域や時間帯を細かく設定することで、ターゲット層が活動している時間帯や地域に広告を配信することができます。
これにより、広告が見られる確率が高まり、より効果的な広告配信が可能となります。

たとえば、ある商品のターゲット層が主に夕方から夜にかけてSNSを利用している場合、その時間帯に配信することでより多くのターゲット層にアプローチすることができます。
また、地域によって需要が異なる商品の場合は、需要の高い地域に配信することで効果的な広告配信が可能となります。

配信先の地域

配信地域を設定する場合は、ターゲット層の地域特性や商品の配送範囲などを考慮して、適切な地域を設定することが重要です。

例えば、地域によってはその商品に需要がある場合に限定して配信するという方法もあります。
また、地域によっては競合他社の店舗がある場合、それによって配信範囲を絞り込むこともできます。

具体的な例としては、スポーツジムを運営する企業があるとします。
その場合、そのジムがある地域周辺に配信範囲を絞り込んだ広告を配信することが考えられます。

また、そのジムがある地域には競合他社のジムが存在する場合、そのジムの周辺には広告を配信しないように設定することで、競合他社との差別化を図ることもできます。

別の例としては、ある地域でのイベント開催前に、その地域のみに配信することが効果的です。

また、海外展開を行う場合には、ターゲットとなる国や地域に配信範囲を限定することで、より的確な広告配信が可能になります。

さらに、商品の特性によっても配信地域を設定することがあります。
例えば、季節商品の場合は、その季節になる地域に合わせて配信することが効果的です。

配信の時間帯

SNS広告配信の時間帯は、広告を配信するターゲット層の行動パターンやライフスタイルに合わせて設定することが重要です。

例えば、ターゲット層が主婦層であれば、朝や昼間に配信するのが効果的です。
別の例では、ECサイトの場合は、夜間に広告を配信することで、購買意欲が高まる傾向があります。

以下に一般的な時間帯の例を挙げてみます。

  • 平日の昼間(11時~15時):
    主婦やOLなどがスマートフォンをチェックする時間帯であり、飲食店やファッションブランドなど、女性にターゲットを絞る広告に効果的です。
  • 平日の夜間(19時~22時):
    家に帰った一人暮らしの方やカップルなどがスマートフォンを使う時間帯であり、配信対象を10代から20代の若者に設定する広告に効果的です。
  • 週末の昼間(11時~15時):
    家族で外出している人が多い時間帯であり、子育て中のママに向けた広告や、家族向けのレジャー施設に効果的です。
  • 週末の夜間(18時~23時):
    飲み会やパーティーなどが多い時間帯であり、お酒や飲食店に向けた広告に効果的です。

ただし、これらはあくまでも一例であり、業種やターゲット層によって最適な時間帯は異なる場合があります。
データ分析や実験を通じて、自社に最適な配信時間帯を見つけることが重要です。

配信地域や時間帯の設定により、広告の露出率や成果に影響を与えるため、適切な設定が必要です。
また、配信地域や時間帯の設定は、広告配信中に変更することも可能です。

広告の入札方法

SNS広告には、オークション方式とフィックスプライシング方式の2つの配信方式があります。
入札方法によって、広告の配信頻度や露出度が変わります。
どちらが良いかは広告主の目的によって異なります。

オークション方式と

オークション方式は、入札によって広告の配信順位を決定する方式です。
広告主は、広告配信にかける金額を入札し、その金額に基づいて広告が配信されます。

具体的には、同じターゲット層を設定した場合に、入札額が高い広告が優先的に配信されます。
オークション方式は、競争率の高い市場での広告配信に適しています。

フィックスプライシング方式

フィックスプライシング方式は、広告の配信単価をあらかじめ決めておき、その単価で配信する方式です。
広告主は、配信単価を決定することで、ある程度予算の見通しを立てることができます。

ただし、競争率が高い場合には、広告配信が困難になることがあります。

SNS広告の配信方式では、どちらが良いかは広告主の目的によって異なります。
オークション方式は、競合が激しい分野で優位に立つことができますが、配信単価が高くなることがあります。
一方、フィックスプライシング方式は、広告配信の見通しが立てやすく、コストの予測がしやすいことが特徴です。

おわりに

ここではSNS広告の配信設定について、大枠を説明してきました。

ターゲットの選定や予算、入札方法を最適化することで、広告の効果も変わってきます。
一度配信を開始した広告設定でも、定期的に見直しをして運用していくことが重要です。

では、次のコンテンツではSNS広告の成果の分析方法についてお話します。